テクノロジー:次世代3D砂型積層造形
最新技術を活用した新たなものづくり手法
鶴見製作所 米子工場では、2018年11月に竣工した造形研究所に砂型積層造形装置(3Dプリンタ)を導入し、『短納期・高精度・高品質な鋳物生産の実用化』と『ものづくりDX(デジタルトランスフォーメーション)推進』を目指して日々研究をおこなっています。
次世代の砂型造形技術
通常、受注生産品の鋳物生産方法は、木型を用いた砂型鋳造となります。砂型製作において、従来工法ではまず2次元図面を作成し、それをもとに鋳造品の原型となる木型を製作した後、木型に砂を込めて砂型を造形します。この木型製作はほとんどが手作りとなり工数がかさむため、木型製作に費やす期間は受注生産品納期の中で大きな割合を占めています。
一方、砂型積層造形装置(3Dプリンタ)の場合、3次元形状データから直接砂型を造形することが可能となるため、木型製作の工程を省くことができ、受注生産品の大幅な納期短縮を図ることができます。また、形状変更と鋳造品製作が容易にできることから、開発期間の短縮や製品の品質・信頼性向上にも繋がります。さらに、木型鋳造では木型から鋳物を取り出すために鋳造品形状の制約がありますが、砂型積層造形装置(3Dプリンタ)の場合は自由な形状にすることができます。
真空ポンプ用羽根車の鋳造例
鋳造工程においては、従来工法と同様に砂型を組み立てて溶湯を流し込み、その後冷却されて形成された鋳造品が加工され、羽根車として仕上がります。砂型積層造形装置(3Dプリンタ)で製作した砂型は、鋳肌が滑らかで組立時の型ブレも発生し難いため、より高精度な鋳造品を製作することができます。
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砂型サンプル
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鋳造後サンプル
鶴見製作所 米子工場では、砂型積層造形装置(3Dプリンタ)の他に、鋳造欠陥を視覚化する鋳造解析ソフトや、形状精度の照合をおこなう三次元測定機を活用し、高品質なものづくりをおこなっています。